在宅医療で薬剤師が必要とされる背景

 

従来の在宅医療は、医師だけ

もしくは医師と看護師で患者のところへ訪問し

診察や処置、投薬を行っていました。

 

医師と看護師は医療のエキスパートではありますが

薬のエキスパートではありません。

同様に、在宅医療者をえるケアマネージャーや介護担当者も

薬剤についての専門的知識やスキルは持っていません。

 

医薬品の処方を指示するのは医師であっても

実際に薬を調合して処方しその飲み方や

副作用について説明を行う事ができるのは

薬剤師の仕事です。

 

実際に薬剤師が在宅医療に関わらず

引き起こされたトラブル例もあります。

 

実際にあったトラブル

 

・患者家族から患者が「下痢をしやすくなった」と相談を受け、

服用している薬剤を確認してみると

日常的には使用せず体調をみて判断し飲むはずの便秘薬を

慢性的に飲み続けていたことが判明した。
患者やその家族、訪問を行った介護スタッフが

薬の使い方をしっかり理解していなかったために

下痢の副作用が起こっていました。

 

・嚥下能力が低下していて

錠剤を飲む事が出来なくなった患者から

相談を受けた薬剤師が、担当の介護スタッフに

服用方法を確認すると、粉砕して飲用してはいけない錠剤を

患者さんが飲みやすいよう粉砕して飲ませていたことが発覚した。
粉砕することによって血中濃度が上昇し

副作用の可能性がある事を

介護スタッフが知らなかったのが原因でした。

 

 

薬剤師の専門的知識があれば

決してこのような服用指導にはならず

他の薬剤に変えたり形状を変更する

工夫が可能だったはずです。

 

投薬の重要性や何の為に飲んでいる薬なのかを

しっかり理解していないため、飲み忘れていたり

故意的に飲まない薬があるなど

“薬剤師が患者さんを訪問してみると大量の薬が見つかった”

といったケースは珍しくないのです。

複数の症状を抱えている場合

投薬量や種類が多く、自己管理出来ずに

飲み忘れてしまうというリスクも高まります。

 

このように在宅医療における薬剤の重要性は

かなり高いものであるのです。

医師、看護師やケアマネージャーがカバーできない所を

薬剤師が専門的知識で補う必要性があり

こうした認識が浸透しつつあるのです。

 

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在宅医療での薬剤師の仕事と役割

 

在宅医療を受入れをしている薬局の方で

患者さんによって「介入が必要」という判断や

医師、ケアマネージャーや介護スタッフが判断をすると

薬剤師へ在宅医療対応が

依頼されるシステムになっています。

 

薬剤師は担当医の指示を確認後

もしくは担当医師とともに患者宅を訪問をお行い

薬物治療の現状や服薬状況を確認し把握します。

 

問題点として最も多いのが

薬の飲み忘れ”です。

 

様々な症状で何種類もの薬を飲むことになれば

患者さんは、いつ何を飲めばいいのか分からなくなっていきます。

 

他には薬剤の保管の仕方が

適切におこなわれていなかったり

薬剤の性質を把握しておらず

副作用を引き起こしているケースもあります。

 

薬によって一包化できるものはまとめて飲みやすくして

整理ケースなどを活用して

朝・昼・晩で飲む薬をケースに分けたり

カレンダーに〇をつけて

飲み忘れを防止していく措置を取ります。

 

同じ効果のある重複している薬が

別々の病院から処方されていれば

状況に合わせて薬の種類を減らしたりの措置をとります。

 

飲んでいる薬がなぜ必要で

どのような副作用があるのかを

患者さんに理解されるまで根気強く伝え

家族や介護担当者に薬剤指導や教育を行っていくのも

在宅医療薬剤師の大切な仕事の一つです。

 

指導の内容などについて、医師やケアマネなどに

報告書を提出して、患者さんの情報を共有して

必要に応じては、薬剤の変更などを提案していきます。

 

訪問は定期的に行い

正しい服薬や管理が継続されているか

薬の効果は表れているか

を確認して必要なケアを実施していきます。

 

 

在宅医療で薬剤師に求められるスキルとは

患者さんの居住というプライベートな空間で

服薬状況などを確認し話や指導を聞いてもらう事は

患者やその家族との信頼関係が重要となります。

患者さんの正確な情報を得たり

患者の要望や希望をうまく引き出していくには

コミュニケーション能力が求められます。

 

また、医師やケアマネージャーが

別個に活動している場合によっては

薬剤指導によって医師とケアマネの両者の架け橋となり

チーム医療としてコミュニケーションを促していく必要があります。

 

調剤や処方に集中する薬局での業務とはまったく異なり

在宅医療の薬剤師にはより幅広い知識と能力が望まれます。

医師が一緒でない訪問時には

基本的なバイタルサインを確認し

必要に応じては注射剤や点滴の

無菌調整技術なども身につる必要があります。

 

薬剤師は、医療従事者として

おむつや介護用品などの

医療材料について質問を受けることもあります。
自分の専門外の事も断るのでなく

出来るだけ情報を得て

患者さんやご家族にアドバイスをしていく姿勢が大切なのです。

 

肝心の服薬指導であっても

個々の薬剤に関する知識だけではなく

副作用や薬局などにあるサプリとの相互作用や

服用方法や保管の工夫など

様々な情報の引き出しをつくっておく必要があります。

 

在宅医療の薬剤師に役立つ

専門認定薬剤師制度として

一般社団法人日本在宅薬学会が
2013年に始めた「在宅療養支援認定薬剤師」の資格があります。

 

薬剤師としてのさらなる知識スキルやマナーについて

医療チームとの協力のもとで

薬物治療管理を実践していく

ノウハウについて学ぶことができます。


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