薬剤師の体内時計を使った治療法

 

体内時計とは私たちの身体の

生理機能のリズムを決めるものです。

なので当然ながら患者さんの症状との関連もあります。

人の身体の1日のリズムを決めるのは

 

サーカディアンリズム”(概日リズム)です。

 

これは疾患などの症状の発症にも深く関係しているのです。

恒温動物

(体温調節能力があって外気温に左右されず関係なくほぼ一定の体温を維持できる動物。)
実は体温は1日のなかで実は変動しています。

更に肺活量なども一定ではないのです。

人間の体温は午後3時ごろにピークに上がります。
ですので、患者さんのバイタルチェックを行う時は

このことを注意しておかないと正確な測定ができません。

 

人間のその他の活動量では

記憶力は正午ごろがピークとなります。
なので勉強は朝から昼までの間にやるのが一番効果的になります。

 

また、運動能力、肺活量は夕方がピークとなります。
例えば陸上の試合などで、朝から予選や準決勝と

全力で走ったにも関わらず、その後の夕方の決勝戦で

ベストタイムが出ることが意外に多い事も

体内時計が関係している事があります。

 

 

残薬問題の背景からわかる事

例えば患者さんに

「私は薬をあまり飲みたくないと思っています。

1日3回毎食後に薬が処方されてますが

1日の中でどこかで1日1回でもいいんですか?

それならしっかり飲む事ができます

どのタイミングが適切ですか?」

 

とたずねられたらどのような対応が適切といえますか?

これは、薬剤師が働く現場ではよく遭遇する場面です。
いま、処方箋の問題になっている

残薬問題”の原因のひとつです。

 

しかしここでいい加減に返答してしまうと

薬の効果が発揮されなくますますその患者さんは

不信感をもって薬を飲む事を怠ってしまいます。

 

薬の効果は本来、症状を抑えることがおもな目的となります。

つまり、患者さんの症状が一番現れている時に

投与する事が1番効果的なのです。

 

裏を返してみますと、症状が出ていない状態で

薬を飲んでも副作用が出る可能性のほうが高くなってしまいます。

 

近年では、病院によって異なりますが

「薬を1日3回で7日分処方しますが

酷いときにだけ使用してください」

と指導するところも増加しています。
しかし、患者さんは、専門的な医学の知識がない為

自分の症状自体がいつ一番ピークであるのかがわからず

自己判断で飲んだり飲まなかったりと曖昧になり

結果、残薬は相変わらず発生しているのが現状です。

 

ぜひ、薬剤師側から、しっかりとした根拠のある

アプローチを処方医側にすることができれば

医師も自信をもって薬を処方する事ができ

より患者さんにとって効率的だといえます。
こういった場面においても

体内時計の知識を使う事ができます。

薬剤師 調剤 服薬指導

症状発症に関しても体内時計が支配しています

様々な疾患の症状が1日

24時間の中のどこで一番悪化するかを

決定しているのも“サーカディアンリズム”です。

 

一般的に深夜0時~午前4時までの間は

睡眠している人が多い時間ですが

この時間は胃酸分泌がもっとも盛んな時間なので

胸焼けや胃潰瘍の痛みが発症しやすい時間です。

 

それに伴い、深夜の暴飲暴食などは

胃酸分泌を活性化さすので注意が必要です。
ですのでその時間に備えて

胃酸分泌抑制薬を服用しておくとより効果的といえます。

 

次に午前4時~午前8時ごろまでは

副交感神経優位→交感神経優位へと移行する時間のため

自律神経が乱れやすい時間に突入します。

 

この乱れにより、体内に入った異物(ウィルスや菌)への

異常な免疫反応が発生するので

アレルギー性鼻炎や気管支喘息の症状が

悪化しやすくなる時間帯になります。

 

この時間は寝ているか起きているか

定かでない時間帯ですので

寝る直前あるいは朝起きた直後に

抗アレルギー薬を服用する事が効果的といえます。

 

更に午前8時~正午12時までは起床と同時進行で

血圧が急上昇することと、血液もドロドロな状態になりやすいので

この時間帯は血栓ができやすい時間帯であり

脳梗塞や心筋梗塞が起こりやすい時間帯になります。

朝コップ一杯の水が良いと言われるのはこの為です。

 

正午12時~午後5時くらいの時間帯は

気力がみなぎる時間で、一番病気が

発症しにくい時間帯ではありますが

夕方に近づくと共に、交感神経が徐々に興奮状態になっていき

緊張性の頭痛になりやすくなります。

この時間に合わせて鎮痛薬常備しておくと良いです。

 

その後は、午後5時~午後9時までの間は

胸部にある心臓や肺が1番活発になる時間帯ですので

脈拍が増える事で、腰痛や歯痛などの痛みに対して敏感になっります。

 

とくに慢性痛を持っている患者さんは

この時間は要注意しなければいけません。

 

そして1日が終わる午後9時~深夜0時は

ヒスタミン(生理活性物質で血管拡張,血圧降下,胃酸分泌促進や平滑筋収縮作用などがある)

の分泌が激しくなる為、皮膚が過敏になりかゆみが増加します。

 

身体がかゆくて眠れない人が多いのは

この時間帯にヒスタミンが分泌しているためです。

就寝前に保湿、かゆみ止めの塗り薬を塗ると効果的です。

 

体内時計を使った治療法は“時間治療”と呼ばれていて

アメリカでは沢山の医師がこれを使って患者さんと向き合っていますが

日本ではまだ少ないのが現状となっています。

 

 

いまや日本の国民病といっても過言ではない

“がんの治療”でもこれが実際に使用されています。

 

深夜の3時~4時ごろに人間の深部体温がもっとも低くなりますが

がん細胞は低温を好むのでこの時間がもっとも活発に増殖します。
ですのでこの時間の抗がん剤の投与がもっとも効果的といえます。

 

更にこの時間の投与で副作用が約5分の1に減り

効果は約2倍になったという報告もあります。

 

このような専門的な薬の知識を

薬剤師がしっかりと把握して

医師に提案できる事が大切といえます。

 


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